過去ログ - 追われてます!
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276:名無しNIPPER[saga]
2017/10/08(日) 01:34:51.89 ID:x7PMoiGY0

 あたりを見渡す。

 考えていたとおり、購買近くの柱に奈雨はもたれかかっていた。
 この前見た女の子も一緒で、そのほかにも二人同級生が側にいる。

 彼女に視線を向けると、こちらに気付いたようで、ほわっと頬を緩めた。
 そのまま友達に手を振って、俺に向かって人差し指をちょいちょいと上に向けた。

 上?

 うん、と頷いて階上に向けてすたすた歩いていった。
 女の子から視線を向けられたけれど、たぶん奈雨からのサインは見えていないはずだ。

「善くん、ちょっと用事できたから先戻ってていい?」

「あ、うん。どったの?」

「……いや、五限の課題やり忘れてた」

「おお、そりゃ大変」

 彼女のあとを追うように階段をのぼりながら、ひとつまずいことに気付いた。

 上。ということはこの前の場所。
 部室、胡依先輩がいる。たぶん寝てる。

 ……いや、さすがに人の気配には気付くか。鉢合わせても、まあ大丈夫だろう。




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