281:名無しNIPPER[saga]
2017/10/08(日) 01:41:33.95 ID:x7PMoiGY0
「ちゅーすると落ちつくよ。ほら、うぇるかむうぇるかむ」
「……で、なんかやなことでもあったの?」
「なによ、いきなり」
「ただそう思っただけ。いきなり呼び出すし、俺にすることで落ちつくんなら奈雨だって落ちつきを求めてるってことだろ」
「……な」
彼女は視線をきょろきょろとさまよわせた。
図星か。勘だったけど、当たったのなら言わないでおく。
奈雨はいつだってどこか危うい。
乱暴に扱わずとも壊れてしまいそうなほど繊細なのは、なんとなく分かっている。
「お兄ちゃんは、わたしにそれを訊いてなにかメリットでもあるの?」
「……」
言ってから、彼女はまずいことを言ってしまった、言葉の選択をまちがえた、みたいな罪悪感と紙に書いて貼り付けたような顔をする。
「たんなる世話焼きだよ。うっとおしいって思うならもう訊いたりしない」
そう言って欲しいのだろうから、俺はそう言った。
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