過去ログ - 追われてます!
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53:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 23:19:06.41 ID:f1RWwZWX0

 肌が人よりも白いから、そのぶん赤くなったらすぐバレる。
 でも、彼女だって同じぐらいの色白。つまり反論のしようがない。

「こういうのさ、いつまで続けるの?」

「こういうのって?」

「……キス、とか」

 彼女はまた、はあー……、と大きくため息をつく。

「もとはと言えばお兄ちゃんのせいじゃん」

「そうだけど」

「責任とってよ、わたしのファーストキスを奪った罪は重いよ」

「……だから、そういうのは好きな人としなさいって」

「いいじゃん、わたし今好きな人いないんだし」

「……」

「それに、お兄ちゃんだって期待してたんじゃないの?」

「してない」

「……」

 バレバレな嘘をつくと同時に、キーンコーンとチャイムが鳴った。

 助かった、と思った。

 彼女は立ち上がってドアの方へ向かって、ガチャリと鍵を開ける。

「じゃあねお兄ちゃん、夜に電話していい?」

 構わない、という意味で頷くと、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
 そして、再びじゃあね、と言ってそのままてくてくと歩き去っていった。

 一人残されて、唇を触る。

 何とも言えないもやもやした感情だけが残った。




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