694:名無しNIPPER[saga]
2017/11/29(水) 02:42:02.31 ID:6C7ZJzN00
けれど、部室に入り深く息を吐き、「そうだよ」と真面目な面持ちで言った。
「しゅかちゃんとは、まあ中学の時にいろいろあってね」
「美術部の頃にですか?」
「あれ、私言ったっけ」
「……あー。えっと、小耳に挟んだので。
あと、この前も美術部には戻らないって先輩言ってましたよ」
先輩は取り繕いの笑みを浮かべた。
そして、気まずさを紛らわすように窓の方を見つめた。
つられて俺もそちらを振り向くも、依然として雨が打ち付けていて空は暗いままだ。
前から先輩のことが気になってはいた。
絵に対する情念。東雲さんに対する態度。哲学的な思考回路。殆どのことなら先回りできる聡明さ。
「……先輩は、どうして美術部を辞めたんですか?」
びくりと彼女の肩が跳ねた。
でも、それも一瞬のことで「そうなるよね」と言いたげな表情で俺を見て頷く。
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