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754:名無しNIPPER[saga]
2017/11/30(木) 01:41:57.02 ID:YvRDjLe80

 それにしても。
 零華ははしゃいでたが、奈雨はずっと俺の隣にいてあんまり動いていないはずだ。

 この疲れようはおかしい。
 昨日の姿が眼に浮かぶ。
 零華の言った言葉。自然に。責任。
 心配しているだけなのに、自分が自分でないように思えてならない。

 本当は彼女のことを心配したくなんてないのではないか。
 一方的な想いを押し付けているのは俺の方じゃないのか。

 荷物を下におろして地下鉄が来るのを待っていると、バッグの奥底でスマホがぶるぶると振動する。
 同時に、下り方面の地下鉄が来るとアナウンスが聞こえてくる。

 悪いタイミングだと思った。
 でも、なんとなく今は二人から離れてしまいたかった。

「電話?」と奈雨に問いかけられる。

 手を突っ込んで取り出して誰からのものかを確認し、二人に「先に乗って帰っていいよ」と告げて荷物を持ち上げる。

 一階に上がってからため息が出た。
 買った飲み物を一気に飲み干すも、気持ちは落ちつかない。

 さっきまでなんともなかったはずの気分は、一瞬にして沈んでしまった。




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