788:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:06:21.29 ID:HHfyV3AE0
家の前まで歩いていくと、ちょうど奈雨が玄関から出てくるのが見えた。
結構暗くなっている時間なのに。なぜか門をくぐるまでの間が長く感じる。
彼女は俺の姿を捉えるなり、少し驚いた様子で駆け寄ってくる。
「お兄ちゃん帰ってきたんだ」
慣れていたはずなのに、今はお兄ちゃんというワードですらも胸がちくりと痛む。
けど、気のせいだと思い込むことにする。
「少しな。……奈雨は?」
「夜食べなきゃなって、買い物」
「食べてないのかよ」
「……まあね。勝手にキッチン使うのはまずいでしょ」
「佑希は奈雨のぶんの夕食作ってないの?」
「なかった」
なかった、って……呆れすぎてため息すら出てこない。
あいつほんとなにしてんだよ。嫌いとかそういう話じゃなく常識の問題じゃないのか。
「俺が作るから中に入ろう」
「悪いよ」
「お客さんだろ。もてなしてあたりまえだって」
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