808:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:26:22.96 ID:HHfyV3AE0
けれど、俺の役割はそれを我慢して褒めてあげることなのだろうと考えた。
俺が"お兄ちゃん"をしていれば、彼女は"妹"として俺に甘えることができる。
彼女が壊れなくて済む。俺は彼女に必要とされている。
がんばったな、と頭を撫でてあげると、見てわかる程に頬を緩めて喜んだ。
いつのまにか差が開いていくのがわかった。
自分の現状に満足せずに努力を重ねる佑希を褒めてあげようと思った。自分はこういう扱いでも別に構わない。
勝てないとしても、誰も困らないなら最善の手を打てている。
中学だって、もしかしたら俺と比べられて何かを言われるかもしれない。
なら、違うところに行けば佑希は傷つかないだろう。
俺が我慢すれば、佑希はどんどん強くなれるし、母さんや父さんが困ることもない。
"できない"側の俺よりも"できる"側の佑希の方がずっと価値がある。
そういう目で見られても、心無いことを言われても、気付いていない振りの愛想笑いをして、自分の立ち位置や取るべきスタンスを心の中で定めて、認めて、「うちの妹はすごいんですよ」と返答して。
……それで、それで良かった。
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