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815:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:33:38.06 ID:HHfyV3AE0

「どうしたの」

「ううん。なんでもない」

「……訊かないの?」

「なにを?」

「零華と話したこと、とか」

「訊いていいの?」

「まあ」

「でもいいや……訊かない」

「わかった」

 そこで話は途切れて沈黙が落ちる。

 訊きたかったのは帰り道のことで、零華とのことではないのかな、と思った。
 どのみち同じような話ではあるから、片方を話せばもう片方を言うことに繋がるかもしれない。

 そんなことを考えていると、彼女は「んっ」と俺の目の前に唇を突き出す。
 何度目だろうか、零華の言葉が脳裏をかすめる。

 唇を重ねると、彼女の肩がびくりと跳ねて、上目遣いで眉を寄せる。
 おろしている髪の毛が首にあたって少しこそばゆい。

 数秒足らずで離そうとするも、服の裾をきゅっと握りしめて、離さないでほしいというメッセージを伝えられる。




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