873:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 17:02:59.52 ID:i0ByN4Ty0
【人任せ】
「次は髪の塗り方について教えてほしいのね」
手で促されるままにペンを渡すと、彼女は新規ページを立ち上げて、いくつかの丸を描いて、髪をさっさっと描きたしていく。
「まず最初に言っとくけど、私の中のイメージで話すから、白石くんも自分が好きな塗り方を見つけてくれればいいからね」
「はい」
「えっと、それじゃあ──」
今までの俺は結構適当に、と言ってしまうと聞こえが悪いが、胡依先輩の塗り方を見よう見まねで、ほぼ感覚的に塗っていた。
だが、どうすれば立体的に見えるか、髪を柔らかく見せたいのか細く見せたいのか、光/影の方向や明暗の付け方など、それだけでは到底補えないものがあり、そのまま塗り進めて「あれ、おかしい」と後になってから気付くことも多かった。
例えば、ハイライトの入れ方については、ツヤっぽく見せたいのなら側頭部から中央にかけて三角形を描くように入れ、ふわふわに見せたいのなら水玉を描くように入れると良いらしい。
影は、"影の伸びる方向"と"どこまで影が伸びるか"を光源直下の点からある程度割り出すことができるらしい。
午前中から思ってはいたが、この人はガチガチの理論派だ。
胡依先輩も理論派といえばそうなのだが、あっちは感覚系の理論派という印象を受ける。
楽しく、という観点からは外れるかもしれないが、そこまで大きくは外れていないとは思う。
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