911:名無しNIPPER[saga]
2017/12/28(木) 15:50:51.24 ID:xOgRNUoX0
「胡依先輩がそう思ってるなら、それでいいんじゃないですか?」
「……本当に?」
聞き返されるとは思っていなくて、けれど、自信はなくても頷いた。
「多分、助けたい誰かを助けることに疚しさを感じるのは、無駄なことなんですよ」
いつも彼女がそうするように、俺は、言葉を外に出すことによって、もう一度確認する。
口をついて出た言葉はなくならない。
だけど、言えぬままに消えてしまうことや、内に溜め込んでしまうことよりは、少しでもマシなのだろう。
そのことを、奈雨が気付かせてくれた。
「"自分が見ててつらいから"でいいんだと思います。
だって、誰もが認めるぐらい正当な理由なんて、きっと、どれだけ考えたとしても思いつかないから」
共犯、という言葉が頭に浮かぶ。
それは違うな、とすぐに打ち消す。
彼女がしたかったのは、おそらく『確認』だ。
であれば、これでいい。
この場合の言い足りなさは、秘めているべきだ。
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