970:名無しNIPPER[saga]
2018/01/31(水) 18:00:36.08 ID:bbAsJ8Or0
そして彼女の顔もまた、すぐ近くへと迫る。反射的に瞳を閉じてしまう。
家。二人きり。初めて。初めて?
……いや、え? こんなところで?
余計な思考がぐるぐる回る。
頬を撫でていた指が、這うようにして下へ下へと移動する。
不思議と嫌じゃないのは、やっぱり私が単純だからなのかな。
それとも……、ってなに考えてるんだろ。馬鹿じゃないの。
首筋にひんやりとした手が触れ、驚いて仰け反りかけた身体をさっと抱えられる。
息を止めて、飲み込んで、もういいかなと待っていたのだが、そこから一向に動きがない。
薄目を開けると、前屈みの部長さんの顔が、触れるか触れないかの位置にまで近付いてきていて、私にくすくすとした笑みを向けていた。
「……あの」
「……されたい?」
なっ……。
「……わけないです」
「ん、そっか」
「……へんたい」
「……なにもしてないよ?」
目を完全に開くと、身体を解放される。椅子の位置はそのままで、正常な距離感を取り戻す。
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