過去ログ - 追われてます!
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983:名無しNIPPER[saga]
2018/01/31(水) 18:09:15.08 ID:bbAsJ8Or0

 とまあ、ここまで言い切られてしまうと、考えなしに(とは思いつつもまた考えてしまっている)頷きそうにはなるのだが。

「めちゃくちゃに酷いものができるかもしれないですよ」

 あ……、と発してから気付く。
 どうやら、この思考が萩花先輩の言う"希望"の正体らしい。

 同時に、胡依先輩に言われたことを思い出す。
 理想を現実に落とし込むことが何より難しくて、けれど、とても大切なことなのだと、彼女は言っていた。

 口元に手を当てる俺に、先輩は椅子から立ち上がってにこりと笑う。

 そして──

「それでもね、完成しないよりは何倍もマシに決まってるよ。
 せっかくここまで頑張って進めてきたんだから、それを『描きたいって口では言うけど全く描かない人』とか、
『実力不足で……向き不向きが……って一生悩んでる振りをして逃げてる人』と一緒にされたら、すっごく悔しいじゃない!」

 と多方面に喧嘩を売りそうなセリフを、身振り手振りサイドポニー振りで熱く語った。

「まあ……そうですね」

「もどかしい部分は、また次に描けばいいの。何か一つでも完成まで持っていけば、きっと見える世界も変わってくるよ」

 わかりました、と頷くと彼女は満足したように両手で握りこぶしを作った。




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