984:名無しNIPPER[saga]
2018/01/31(水) 18:09:57.69 ID:bbAsJ8Or0
胡依先輩と同じで、やはり絵に対しては殊更真摯な人なんだな、と思う。
それぐらい本気で絵に──自分自身に向き合っているから、こうして彼女たちは俺に言葉を掛けてくれる。
けれど、俺は……。
俺には、本気になれる何かがあるのだろうか。あっただろうか。
続けていけば、いつしか見える世界は変わるのだろうか。
──あたし、がんばれてるかな?
そうこう考えているうちに、なぜか佑希の顔が頭をよぎった。
彼女は、どうなのだろう。
俺とは正反対に、彼女はいつだって手を抜かずにやり続けてきた。
そんな彼女に掛ける言葉が、俺にあっていいものなのだろうか。
けれどもし、昨夜思い至った可能性が正しいとすると、俺以外に、誰が彼女に言葉を掛けられるのだろうか。
変えたい、と思った。
変わってほしい、とも思った。
変わってほしくない、と思っていたのは、
どこかで希望を捨てきれていなかったからだ。
自分か、彼女か、
二つに一つだ。
だから、諦めてしまおう。希望なんて、いつまで経っても希望でしかない。
それに、選びたい選択肢と、選ぶべき選択肢は同じだ。
"いつか"を待っていたって、何も変わらない。
俺はきっと他の誰よりも、俺自身と向き合わなければならない。
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