過去ログ - 【安価】クリエンテスとパトロヌス
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978: ◆sh9LE6ZD.AZt[saga]
2018/03/03(土) 14:52:29.04 ID:XqVSfSkRo
「そちらで把握している2人の経歴を教えて下さい」
「はいはいー!」
「では男の方から……剣闘士になる前は小さい町で農民として生産を担っていたようです」
「ほう」
「この国の領土拡大途中に町は武力制圧され、その後はオレン闘技場で剣闘士としての人生を歩み始めました」
「闘技場での戦歴は勝ち数【26】、負け数【3】、引き分け【18】と助命を何度も受けた人気の剣闘士だったようで」
「【獣の如き猛攻】で並み居る猛者を打ち倒す姿に、観客は魅了されていたのかもしれませんな」
「彼はどうしてこの場所に?」
「自分を買い戻した後、襲われたとか」
「襲われた?」
「ええ。何でも野盗の集団に」
「でも彼は強かった筈」
「それは1対1の話。四方八方から【大勢で矢を射かければどんなに強かろうと無意味】という訳でございます」
「……」
「【どうにかして生き延びた】は良いものの、有り金は奪われ、傷を直すのに金がかかる――」
「そしたらこんな状況になるのも仕方ないと思いませんかね?」
剣闘士の経歴を聞いて君は思う。
どんな強者だろうと絡め手を使われれば、命を落とす危険性が常にある。
自分の立場に置き換えてみると、いつどんな場所で悪意を持った者に狙われるか余計に解らない。
……従者任せにしていると、いつか足元を掬われるかもしれない。
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