過去ログ - シンゲキロンパ CHAPTER 03
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990:名無しNIPPER
2019/05/23(木) 07:51:42.11 ID:+V6yDrVp0
福石調の回想
 
 
私のパパとママは所謂有名人だった。
 
ママは幾つものファッション雑誌の表紙を飾るカリスマモデル、パパは有名なロックバンド・ダンピールのギタリスト。その両方の血を受け継いだのが私・福石調だった。パパとママは一人っ子の私に沢山の愛情を注いでくれた。時々イタズラやお仕事を邪魔しちゃったら怒られたけど、それでも私はパパとママが大好きだった。パパは私がギターを習いたいと言ったら、どんなに仕事で疲れていても嫌な顔しないで教えてくれた。
ママも同じ。ママみたいにお洒落になりたいと言ったら、私にファッションのコツを教えてくれた。勿論年相応の値段と風合いをちゃんと理解させてくれた。
 
だから私はクラスでも浮いてはいなかった。寧ろ人気者の立場だった。女の子からは羨ましいと言われ、男の子からは告白されるのが日常。
中学生になってクラスメートの女の子からイジワルをされても平気だった。何の努力もしない奴の「単なる嫉妬」に時間を割くのは勿体ないし、何よりもパパとママの「名前をキズモノにしたくないから」。
 
パパやママは「有名になるには、才能だけじゃ食べていけない。才能を生かすも[ピーーー]も、その人の“努力”が左右するんだ」って私に毎日言っていた。
 
 
だから私は…何の努力もしない奴、親の七光りを周りにひけらかしてる奴が大嫌いだった。そういう奴程、努力することを蔑ろにするから。だから私は人の何倍も、何十倍、何百倍、何千倍と努力した。芸能界は根も葉もない噂や過去のレッテルでクルリと掌返しを平気でする汚い世界。だからこそ嫌がらせや陰口、大物の権力なんかに負けたくなかった。
 
その為には、自分にも他人にも厳しくならなきゃいけなかった。だから私は−「渋谷沙織」という女王を作った。冥界の楽団・ペルセポネーのリーダーであり、ロックシンガーとして絶対的存在として君臨する「女王」を。福石調である時と渋谷沙織である時とをちゃんと使い分けて生きてきた。付いて行けないと離れた人を思って悲しくなったこともあった。そんな私を見捨てずに付いて来てくれた、渋谷沙織の理想を分かってくれるバンドのメンバーは掛け替えのない人。


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