過去ログ - 武内P「ムラムラ、ですか」
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947:名無しNIPPER[saga]
2018/10/23(火) 21:49:18.05 ID:735jcq23o

「……」


 皆の――アイドルの子達の私物が置かれていた、この部屋。
 シンデレラプロジェクトの、プロジェクトルーム――だった場所。
 今では、もうすっかり片付けがされていて、机やソファーには白いシートが。
 ついこの間まで、此処には笑顔が溢れていたのが、まるで嘘のみたい。


「……」


 けれど、それは本当のこと。
 シンデレラの――夢のような物語。
 女の子達は、お姫様になり、そして……羽ばたいて行った。
 それがとっても嬉しくて、ほんのちょっぴりだけ、寂しい。


「……」


 壁にかけられたホワイトボードは、そのまま残してあった。
 それには、一緒に歩んできた事への感謝。
 そして、未来への想いが、カラフルに、個性的に綴られている。
 名前が書かれていなくても、誰が書いたかわかっちゃう程に、ね。


「……っとと、いけないいけない」


 思い出に浸っている暇は無い。
 だって、思い出話ばっかりしてたら、すぐに時間が過ぎちゃいますから。
 私達は、これからも見守っていくんですもの。
 成長していく、アイドルの子達の姿を。


「……」


 半分地下の、専務――あの時は常務だった――に言われて移動になった、この部屋。
 上階の、設備も新しく、綺麗だった最初のルームと比べると、やっぱりグレードは落ちる。
 でも、私はこの部屋が気に入っていた。
 だって、この部屋はプロデューサーさん専用のルームが無いから。


「……」


 電気を消して、ドアノブに手をかけながら、もう一度部屋を見渡す。
 薄暗く、陽の光もあまり差し込まない、追いやられた場所。
 私だって、最初はムッとしましたよ?
 ダンボールに入った資料も散乱してて、ひどい有様だったんですから!


「……」


 それをプロジェクトの皆で片付けて、掃除して。
 めげずに、前向きに。
 トラブルもあったけど、一丸となって乗り越え、やり遂げた。


 プロデューサーさんとメンバーの14人は。
 シンデレラプロジェクトを成功させたのだ。


「……」


 ドアを閉め、鍵をかけた。


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