812:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/11(土) 15:39:15.41 ID:8Ahia8+no
「……」
明日には、顔を合わせるってわかってる。
きっと、その時にお祝いの言葉を贈ってくれるとも思う。
だけど、もう、私の誕生日は過ぎている。
たった一日だけだけど、過ぎちゃってるんだよね。
「……はぁ」
だけど、アイツだって仕事だったんだし、しょうがない。
私達、アイドルのために働いてるのに、責めちゃいけない。
わかってはいるんだけど、この不満は、どうしようもない。
一つ歳を重ねたからって、劇的に大人になれるわけじゃない。
「……」
考えれば考える程、心がささくれだっていく。
せめて、電話の一つ、LINEで一言でも送れないものか、って。
それ位はしてくれても、良いと思うんだけど。
だって……私のプロデューサーでしょ。
「……ああ、もう」
ついさっきまで、幸せな気分だったのに、それが台無し。
私自身の、心の持ちようなんだけど、それがまた、癇に障る。
……こういう時は、深呼吸。
大きく吸って、吐く息に合わせてグチャグチャの思考を外に逃がす。
「……」
寝転がりながらだと、やりにくい。
上半身を起こし、ベッドに腰掛け、深呼吸を繰り返す。
……それにしても、今、何時だろう?
考え事をしてたから、もしかして、結構経っちゃってたかも。
「……」
ベッドに座ったまま振り返って、机の上の掛け時計を見ようとした時、
「ん」
視界の端で、携帯の画面が光っているのが見えた。
確認するついでに、時間は携帯で見れば良いかと、手を伸ばす。
緑色のアイコンが、LINEのメッセージが届いたことを告げている。
フリックする指の動きが、心なしか、いつもより速い。
「――えっ?」
メッセージの内容を見て、間抜けな声が出た。
「はっ?」
勘違いかと思って、もう一度見直す。
「嘘でしょ!?」
私は、ベッドから立ち上がって、小さく叫んだ。
大声を出したら、ハナコを起こしちゃう。
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