985:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 23:58:23.81 ID:rN+SH99Ro
・ ・ ・
「ごちそうさまでした」
家事を一通り終えて、今は、前々から気になってたレストランに。
お友達と行きたいと思ってたけれど、スケジュールの都合がつかないんだもの。
此処は、彼と一緒に来たい、とは考えてなかった。
だって、気になってたのは、レディースランチなんですもの。
「……」
農家と方と直接契約して、産地から直送されてくるお野菜。
無農薬で育てられ、とっても新鮮という売り文句の通り、美味しかった。
お野菜自体の味が濃厚で、熟したトマトは甘く、レタスは柔らかく、キュウリも瑞々しかった。
柚子のドレッシングが、サッパリと、お野菜達を引き立てるように、爽やかに。
「……」
パスタは、緑色が鮮やかな、ジェノベーゼ。
テーブルに置かれた時から、もう、バジルとにんにくの香りが食欲をそそった。
採れたてのハーブって、本当に香りが違うのよね。
お家でも、バジルと……そうね、ミントをプランターで育ててみようかしら。
「……」
バジルなら、トマトとも相性が良いから……そうね、ピザトースト、とか。
朝食で、とっても香りの良いハーブが急に出されたら、あの人はどんな顔をするかしら。
彼、食べることが好きだから、きっとビックリするに違いないわ。
驚かせるためには……ううん、バレずに育てるのは、難しそう。
「……」
ミントだったら、甘いものと一緒も良いけれど……やっぱり、お酒。
暑い日が続いてるし、サッパリしたのも良いと思うの。
ミントのリキュールで……って、その作り方も、調べなくちゃいけないわ。
簡単に作れると良いんだけれど、でも、乾杯する時を考えれば、難しくても頑張ろう。
「……ふふっ!」
何にせよ、喜んでくれる。
一緒に、美味しいものを食べて、美味しいお酒を飲んで。
それだけで、良い。
それだけで、笑って、幸せを感じる事が出来る。
「……」
だから……その幸せを知ってしまったから、物足りない。
向かいの席に彼が座っていたら、絶対に、もっと満足出来ていた。
でも、レディースランチだから、彼は違うメニューになるわよね。
あの人だったら……あっ、ラム肉の香草焼きを頼みそう!
「……ふぅ」
そろそろ、デザートが来るかしら。
物足りないのは、彼のせい。
決して、あの人に合わせて食べる量が増えたからじゃ、ありませんから。
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