過去ログ - 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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228:名無しNIPPER[sage saga]
2018/06/26(火) 21:32:22.54 ID:dIzUtERDo
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「ああもうっ! どうして忘れるかな〜!」


 レッスンが終わって、シャワーを浴びようとロッカーを開けたら気付くんだもんなぁ!
 全く、凛の奴も気づいてたんなら言ってくれっての!
 な〜にが、そういえばタオルが落ちてたかも、だよ!
 ……いやまあ、忘れたあたしが悪いんだけど……そ、それはそれだよ!


「う〜……!」


 本当、この時期は駄目だ!
 何が駄目って、この湿度! 最悪だよ、もうっ!
 前髪は決まらないし、髪が広がって広がってしょうがない!
 こんなんじゃ、ファンの皆の前に立つ時……って、


「……あたし、アイドルになったんだよな」


 凛と、加蓮と、一緒にトライアドで……クローネでデビューして。
 その後も、順調に仕事して、アイドルやってる。
 髪がまとまらないのも、ただ鬱陶しいだけじゃなくて、
応援してくれるファンの皆に、最高のあたしを見せたいから、って理由になってる。


「――うしっ! 気合、入れないとな!」


 廊下で、一人気合を入れる。
 雨が振ってると、イマイチ気分が乗らないけど、そうも言ってられない!
 だってさ、もうすぐLIVEなんだぜ、LIVE!
 ちょっとやそっとの雨でへこたれてちゃ、凛と加蓮にまたイジられる!


「しっかし……雨、やまないかなぁ」


 歩きながら、髪を手で梳くけど、ちっともまとまりやしない。
 良いシャンプーがあるって聞いたから、早くシャワー浴びたいんだよ。
 今度のLIVEのメンバーの人が、持ってきてくれてさ!
 トリートメントとか、ブラッシングとか教えてくれるって――


「……なんだ……?」


 ――ピアノの……音……?


 目的地の、さっきまでボイスレッスンをしてたホールから、聞こえる。
 僅かに開いたドアの隙間から聞こえてくる音色は、静かだけど……とても、力強い。


「誰か、演奏してるのか?」


 何の曲だろうと、ちょっと考えてみたんだけど……全然わかんない。
 もしかしてあの曲かな、と思った途端、いつの間にか全然感じの違うメロディーになる。
 探るように、だけど、踏みしめるように。
 徐々に、徐々に……その音色は、力強さを増していく。


「あ」


 あたしの、曲だ。


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