過去ログ - 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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356:名無しNIPPER[sage saga]
2018/06/30(土) 01:03:34.59 ID:jFjtisC6o
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「楽しいと……ついつい、時間を忘れちゃいますね」


 気がつけば、もう、終電は無くなっていた。
 だから、今は、夜風に吹かれながら、タクシー乗り場に向かってる。
 朝まで飲み明かす程の無茶は、しない。
 それに、ほら……もう、足元がおぼつかないの。


「はい。ですが……とても、良い時間でした」


 彼が、小さく微笑みながら、言う。
 大分飲んだ筈なのに、それでもしっかりとした足取りの、彼。
 それが、なんだか憎たらしくて、よろけたフリをして、軽く、体当たり。
 突然体重を預けられる形になったのに、彼は少しもふらつかない。


「まだ、元気なんですね」


 問う。


「はい。体力は、自信があります」


 そうでなければ、プロデューサーは務まりませんから、って。
 この人の、仕事に対する情熱は、まるで衰えていない。
 それが、とっても眩しくて、自分の事じゃないのに、嬉しい。
 だけど、私も負けてられないと、そう、思っちゃいます。


「えいっ、えいっ」


 グイグイと、なんとかふらつかせてやろうと、押す。
 細い足に力を込めて、肩を押し付ける。
 なのに……全然、びくともしないの!
 そりゃあ、体格差はあるけれど……アイドルと、プロデューサーなのよ?
 頑張ったら、ふらつかせる位はさせないと、いけないと思うわ。


「あの……高垣さん?」


 彼が、怪訝そうな顔で、こちらを見る。
 ……あっ、思いついた!


「ふふっ! 楽しくて、何時何時か、ついつい、忘れる……うふふっ!」


 アイドルとして、ファンの人達と、一緒に笑顔で歩いてきた。
 それが楽しくて、気づけば、時間が過ぎていた。
 シンデレラが、魔法の解ける時間を忘れてたみたいに。
 もしも、最後まで思い出せずに、魔法が解けてたら、どうしたのかしら?


「そこまで責任は……持てませんね」


 まあ! なんて、つれない事を言うの!
 時間が迫ったら、一声くらいかけてくれても、良いじゃありませんか。
 サービスの悪い、魔法使いさんね!


「……!」


 色々な抗議を手に載せて、パシリと彼の腕を叩く。
 おかげか、彼をふらつかせるのに、成功した。



おわり


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