過去ログ - 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2018/06/30(土) 01:03:34.59 ID:jFjtisC6o
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「楽しいと……ついつい、時間を忘れちゃいますね」
気がつけば、もう、終電は無くなっていた。
だから、今は、夜風に吹かれながら、タクシー乗り場に向かってる。
朝まで飲み明かす程の無茶は、しない。
それに、ほら……もう、足元がおぼつかないの。
「はい。ですが……とても、良い時間でした」
彼が、小さく微笑みながら、言う。
大分飲んだ筈なのに、それでもしっかりとした足取りの、彼。
それが、なんだか憎たらしくて、よろけたフリをして、軽く、体当たり。
突然体重を預けられる形になったのに、彼は少しもふらつかない。
「まだ、元気なんですね」
問う。
「はい。体力は、自信があります」
そうでなければ、プロデューサーは務まりませんから、って。
この人の、仕事に対する情熱は、まるで衰えていない。
それが、とっても眩しくて、自分の事じゃないのに、嬉しい。
だけど、私も負けてられないと、そう、思っちゃいます。
「えいっ、えいっ」
グイグイと、なんとかふらつかせてやろうと、押す。
細い足に力を込めて、肩を押し付ける。
なのに……全然、びくともしないの!
そりゃあ、体格差はあるけれど……アイドルと、プロデューサーなのよ?
頑張ったら、ふらつかせる位はさせないと、いけないと思うわ。
「あの……高垣さん?」
彼が、怪訝そうな顔で、こちらを見る。
……あっ、思いついた!
「ふふっ! 楽しくて、何時何時か、ついつい、忘れる……うふふっ!」
アイドルとして、ファンの人達と、一緒に笑顔で歩いてきた。
それが楽しくて、気づけば、時間が過ぎていた。
シンデレラが、魔法の解ける時間を忘れてたみたいに。
もしも、最後まで思い出せずに、魔法が解けてたら、どうしたのかしら?
「そこまで責任は……持てませんね」
まあ! なんて、つれない事を言うの!
時間が迫ったら、一声くらいかけてくれても、良いじゃありませんか。
サービスの悪い、魔法使いさんね!
「……!」
色々な抗議を手に載せて、パシリと彼の腕を叩く。
おかげか、彼をふらつかせるのに、成功した。
おわり
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