過去ログ - 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2018/07/10(火) 22:31:05.42 ID:K/Ppu9o+o
・ ・ ・
「何、話してるんだろ」
カウンターの椅子に座りながら、ソワソワした様子で凛ちゃんは呟いた。
あの人が来てるのに、凛ちゃんがお店に出てるって事は、
用事があるのは、お母さんとお父さんだったんだ。
私はてっきり、凛ちゃんに用事があるんだと思ってた。
だって、朝からずっと、落ち着きが無かったし。
「何話してるんだろうね〜ハナコ〜」
凛ちゃんは私を抱き抱え、背中を撫でながら聞いてきた。
花と、凛ちゃんの匂いに包まれながら、考えてみるけれど、答えは当然出ない。
だけど、私にも、わかることがある。
今日の凛ちゃんは、いつもと違って、どこか不安そう。
「クゥ〜ン」
私が凛ちゃんのために出来る事なんて、数える程しかない。
だから、その出来る事を精一杯、やろうと思う。
傍に寄り添う。
それが、望まれている事で……私も、それを望んでいるから。
「もう、ちょっと……くすぐったいって」
私にだけ見せる、弱気な表情の凛ちゃんの顔を……ペロリと舐める。
そうしたのは、凛ちゃんがアイドルになってから、二回目。
アイドルになってから、凛ちゃんは顔に何かを塗るようになったの。
その味が苦手だからしてこなかったけど――
――するべきだと思ったし、したいから、する。
「……ありがと」
ぎゅうと、抱きしめられる。
その声は、少しだけど、いつもの凛ちゃんに戻った気がする。
私は、凛ちゃんを撫でてあげたりも、抱き締めてあげる事も出来ない。
「……」
でも、ちょっと強く抱き締められた時、声を上げずに我慢する事は出来る。
「……」
凛ちゃんは、何も言わずに私を抱き締め続ける。
これで、背中を撫でてくれれば私としては、言うこと無いんだけど。
でも、こうやって抱っこされるだけっていうのも……まあ、悪くないかな。
せっかくだから遊んでも欲しいけど、我慢しないとね。
「後で、ボールで遊ぼうか」
ボール!? 本当に!?
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