過去ログ - 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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769:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/10(火) 22:31:05.42 ID:K/Ppu9o+o
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「何、話してるんだろ」


 カウンターの椅子に座りながら、ソワソワした様子で凛ちゃんは呟いた。
 あの人が来てるのに、凛ちゃんがお店に出てるって事は、
用事があるのは、お母さんとお父さんだったんだ。
 私はてっきり、凛ちゃんに用事があるんだと思ってた。
 だって、朝からずっと、落ち着きが無かったし。


「何話してるんだろうね〜ハナコ〜」


 凛ちゃんは私を抱き抱え、背中を撫でながら聞いてきた。
 花と、凛ちゃんの匂いに包まれながら、考えてみるけれど、答えは当然出ない。
 だけど、私にも、わかることがある。
 今日の凛ちゃんは、いつもと違って、どこか不安そう。


「クゥ〜ン」


 私が凛ちゃんのために出来る事なんて、数える程しかない。
 だから、その出来る事を精一杯、やろうと思う。


 傍に寄り添う。


 それが、望まれている事で……私も、それを望んでいるから。


「もう、ちょっと……くすぐったいって」


 私にだけ見せる、弱気な表情の凛ちゃんの顔を……ペロリと舐める。
 そうしたのは、凛ちゃんがアイドルになってから、二回目。
 アイドルになってから、凛ちゃんは顔に何かを塗るようになったの。
 その味が苦手だからしてこなかったけど――


 ――するべきだと思ったし、したいから、する。


「……ありがと」


 ぎゅうと、抱きしめられる。
 その声は、少しだけど、いつもの凛ちゃんに戻った気がする。


 私は、凛ちゃんを撫でてあげたりも、抱き締めてあげる事も出来ない。


「……」


 でも、ちょっと強く抱き締められた時、声を上げずに我慢する事は出来る。


「……」


 凛ちゃんは、何も言わずに私を抱き締め続ける。
 これで、背中を撫でてくれれば私としては、言うこと無いんだけど。
 でも、こうやって抱っこされるだけっていうのも……まあ、悪くないかな。
 せっかくだから遊んでも欲しいけど、我慢しないとね。


「後で、ボールで遊ぼうか」


 ボール!? 本当に!?


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