過去ログ - 武内P「アイドル達に慕われて困っている?」
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985:名無しNIPPER[sage saga]
2018/06/20(水) 22:12:35.26 ID:5Xhr7xCLo

「……わかったにゃ」


 私の有無を言わさぬ様子に観念したのか、彼女はトボトボとトイレに向かって歩き出した。
 恐らく、彼女にネコミミがついていたならば、それはピタリと頭にはりついていただろう。
 尻尾があったら、その毛は逆だっていたか、もしくは、垂れ下がっていたか……。


 とにかく、これで、トイレに入っていただけ、部屋に戻れ――


「でも! 戻っちゃダメだよ!?」


 ――ない……らしい。


「……わかりました」


 右手を首筋にやって、必死な彼女の顔を見る。
 しばし、月明かりの下、無言で見つめ合う。
 廊下も照明がついてはいるのだが、その光量はほんの僅かだ。
 そして、彼女はトイレの――和式便所をキッと睨みつけ、トイレの照明ボタンを押した。


 パチン。


「…………ん?」


 少し古めかしい、黒いスイッチ式のそれが反対側に倒れたのに、照明はつかない。


 パチン……パチン、パチン。


「…………えっ? えっ?」


 パチン、パチン……パチンパチンパチンパチンッ!


「…………うそにゃ」


 ――トイレの照明が――つかない。


 電球の交換を怠っていたのか、はたまた、他に違う原因があるのか。
 何にせよ、このトイレの電気は――スポットライトは、無い。


「Pチャン……どうしよう……?」


 顔から一切の感情が抜け落ちた彼女に対し、私は、


「……頑張ってください」


 精一杯の、声援を送る。
 しかし、彼女は「それだけ?」と小さく呟いた。
 なので、


「……笑顔で、頑張ってください」


 パワーオブスマイル……笑顔の力を信じてくださいと、再度声援を送る。
 あの……それ以外、かける言葉が無いと、そう、思います。


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