過去ログ - 武内P「クローネの皆さんに挨拶を」
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888:名無しNIPPER[sage saga]
2018/04/15(日) 01:26:29.58 ID:A4pEFkIxo
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「プフッ!」


 優しく撫でてくれてると思ったら、鼻をくすぐられクシャミが出た。
 それに驚いたのか、プロデューサーの手の動きがピタリと止まる。
 吠えて抗議をしようと思ったけど、まあ、良いかな。
 大きな声で鳴いたら、驚かせちゃうだろうし。


「……」


 プロデューサーは、仕事を中断して私と遊んでくれた。
 今は、ボール遊びにも飽きたから、ソファーで二人でまったり。
 体が斜めになる位深くソファーに座ったプロデューサーの上半身。
 今の、ハナコの体の私には、寝そべるのに丁度良い広さ。


「……」


 優しく、頭から背中までを何度も撫でられる。
 それがとても、とても気持ち良くて、眠ってしまいそうになる。
 まあ、寝ちゃっても良いのかな。
 夢の中で寝たら、どうなるんだろ。


「……」


 プロデューサー、いい匂いがする。
 他の皆はどう思うか知らないけど、私、この匂い好きかな。
 ハナコの体だからかも知れないけど、うん、悪くない。
 ああ、もしかして、ハナコがプロデューサーに懐いてた理由って、これかも。


「クァ〜ッ……!」


 大口を開けてアクビなんて、普段はしない。
 だけど、まあ、今の私はハナコだから、気にしない。
 うん、今、とっても幸せなのも、体がハナコだからだよね。
 私がプロデューサーにこうしたいわけじゃないから。


「……おやすみなさい」


 低く、優しい声がかけられる。


 なんとなく、だけど。
 このまま目をつぶって眠りに落ちたら、夢から覚める気がする。
 だから、このまま寝てしまおう。
 レッスンの途中だったし、それに……うん、十分楽しんだから。


 だって、本当の私は、犬――ハナコじゃないから。
 プロデューサーの担当する、アイドル――渋谷凛だから。


 ガチャリ!


 夢の中で眠りに落ちる直前、事務所のドアが勢いよく開いた。
 だけど、瞼はもう閉じ、眠りに落ちるのは、止まらない。



「大変だよ! しぶりんが、レッスンルームでオシッコ撒き散らした!」



 ……どうか、夢でありますように。



おわり


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