過去ログ - 武内P「あだ名を考えてきました」
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416:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/03(木) 10:57:05.92 ID:xviVpdK+o

 おっと、こんな時間に失踪するのは、オススメしないな。
 どうしてもと言うなら、私も付き合おうじゃないか。
 走るには、丁度良い夜風が吹いて……なんだ、行かないのかい?


 ふむ、成る程……なんだ、そんな事か。
 猫にからかわれたと思っているのなら、笑い飛ばせば良いのさ。
 そう、その調子で、愛らしい笑顔を……愛らしいはやめてくれ?


 私が、アイドルになったきっかけ?
 仕事だよ、ビジネスさ。
 歌う仕事があれば、どこへでも行くつもりだし、そうしてきた。


 ただ、今のこの状況は、予想していなかったな――



「――……ふぅ」


 久々に来たが、やはりこのスタジオの音響性能は高いな。
 機材の更新もされているようで、私が居た時よりも環境が良くなっている。
 こういった仕事をする人間と、また仕事がしたいものだ。
 プロ意識の感じられる誰かと共に、最高の音を。


「……」


 しかし、それが難しいのも、また事実。
 世界は広く、歌の勉強のためにアメリカにまで足を運んだが、どこか満足が出来なかった。
 いい刺激になったし、力もついたが、結局は日本に戻ってきた。
 風の向くままとは言うが――


「――さて……アンタは?」


 いくら私でも、気になるというものさ。
 何せ、先程から私が歌う様子を、表情一つ変えずに見続けていたのだからね。
 ん? まさか、気付かれていないとでも思っていたのかな?
 気付いていたとも、始めからね。



「……申し訳ありません。私は、こういう者です」



 ほう、顔に似合わず、中々洒落た名刺入れを使っているじゃないか。
 日本人にしては、少々厳しいと言った風体だが、己の仕事に誇りを持っているようだ。
 自分を端的に表し、相手に伝えるための名刺を入れておくケースに、手を抜かない。
 それこそが、愛着をもって仕事をしているという証になる。


「芸能事務所のプロデューサーさんか」


 346プロダクション。
 ふむ、彼の様子から大手だとは思っていたが、予想以上に大手だったようだ。
 日本に戻って何をするか……歌う事しか決めていなかったが、
ここでコネクションを築いておいて、損は無いだろう。
 彼も、そのつもりで私に名刺を渡してきたのだろうし、ね。


「スタジオの見学とは、熱心なことだね」


 だが、急いで本題に入る必要も無い。
 単刀直入すぎるのも、スマートとは言えないからね。


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