過去ログ - 武内P「あだ名を考えてきました」
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419:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/03(木) 12:45:29.31 ID:xviVpdK+o
「……アイドル業界というのは、人材不足なのか?」
日本に帰ってきて日も浅いが、そうは思えなかった。
ふと見たテレビの画面に映るアイドルは、とても、輝いて見えた。
それなのに、何故、わざわざ私をアイドルにしようとする?
年若い、それこそ原石のような存在など、いくらでも居るだろうに。
「貴女だからです」
それなのに、君は、私を選ぶというのか。
真っ直ぐに、君は、私を求めるというのか。
「……」
……やれやれ、こんなにも情熱的なお誘いを受けるとは思わなかったな。
歌に自信はあるが、ダンスに関しては、そこまでの経験があるわけでも無い。
踊れないとは言わないが、歌いながら踊るのは、遊びや余興程度にしか。
いや、それを言うのは、野暮というものか。
「オーケー、歌唱力には、聞いての通り自信がある」
私のこの歌で、多くの人を魅了しようじゃないか。
さらに歌を進化させるために、アイドルの道に踏み込んでみるのも悪くない。
貪欲に、精力的に、何でもこなしてみせよう。
「君の、私の歌への評価が正しいものだったと……結果で証明しよう」
そう言って、再度手を差し出し、握手を求める。
未だ口約束の段階ではあるが、これからは、ビジネスパートナーだ。
より良い仕事を――最高を目指して行こう。
責任を持って、トップまで導いてもらおうじゃないか。
「……一つだけ、訂正をさせてください」
彼は、私の手を取り、言った。
手の平に込められた力は、最初よりも強く……ああ、力強かったな。
「笑顔です」
視線も、手に込められたものとは比べ物にならない程の、力強い意思が込められていた。
「私が、貴女をスカウトした最大の理由は……笑顔です」
これには、正直やられたね。
むしろ、やられて当然じゃないか?
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