過去ログ - 武内P「あだ名を考えてきました」
↓ 1- 覧 板 20
914:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/22(火) 02:08:24.55 ID:IjUSJCFQo
「台所、綺麗に使いました?」
彼の胸に頭を預けながら、聞く。
この人って、几帳面なようで、どこか抜けてる所があるのよね。
あ、手の動きが止まった。
顔を上げると、少し気まずそうな表情が目に飛び込んでくる。
「その……それは……すみません」
もう、どれだけ急いでたんですか?
お掃除が大変になっちゃうから、どこも使う時は綺麗に使おう、って約束したのに。
トイレも座ってしてくださいって言うの、我慢してるんですからね?
指で頬を突いて、抗議しちゃうんだから。
「……後で、片付けておきまふ」
おきまふ。
「ふふっ! お願いしまふ……うふふっ!」
あぁ、おかしい!
こんなに笑わせられちゃったら、怒る気も失せちゃうわ!
このままの状態で喋られたら、また、さっきみたいな喋り方になるわよね!
何か言ってください、えい、えい。
「……」
無言で、左手を絡め取られた。
首筋にやれなかったせいか、彼の右手は手持ち無沙汰だったみたい。
私の左手を包みながら、親指と人差し指で、思い出の指輪をなぞっている。
お返しに、私も彼の指輪を触らせてもらっちゃ――
「お粥、冷めないうちに」
――お、う……って、もう!
離れるなら、何か一言かけてから言ってください!
おかげで、差し出した右手が宙をさまよっちゃったじゃないですか!
これはもう、お仕置きです。
「えい!」
彼の背中をパシリと叩く。
昔は、こうして突然背中を叩いたら、ビクリと体を震わせて驚いてましたっけ。
でも、今では慣れたものか、ピクリとも反応しなくなってる。
あの時の可愛げは、どこに行っちゃったのかしら。
「我ながら、上手く出来たと思います」
低い声が、ほんの少し高くなった。
この人が、こうやって自分のした何かをアピールするだなんて、珍しい。
つまり、本当に美味しく作れたってことで……だから、早く食べさせたかった?
思わず、彼の顔を見つめる。
「あの……何か?」
もうっ! 可愛げあるじゃないの、もうっ!
1002Res/553.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。