過去ログ - 武内P「結婚するなら、ですか」
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44:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/16(金) 01:08:34.77 ID:g+ryXGAuo

「……私の瞳に、ですか?」


 本当に……本当に、悔しいけれど、一勝一敗。
 勝ったと思ったら、急に、そんな事を言うだなんて。
 本当に、ずるい。


「はい」


 プロデューサーのお仕事は、アイドルを見る事ですよ。
 それなのに、見惚れてしまっていただなんて……。
 それじゃあ、まるで貴方は私のファンみたいじゃないですか。
 ファンなのだとしたら……そんな、後ろから急に押されたら――



「……私、左右で瞳の色が違うでしょう?」



 ――前に、踏み出しちゃうじゃないですか。


「それで、普通とは違うから、そう感じるだけだと思います」


 でも、これじゃあ……踏み出す所じゃないわ。


「……私は、それも高垣さんの――」
「――個性の内、ですね。確かに、その通りだと思います」


 どこに足を踏み出せばいいのかわからず、たたらを踏んでいる。


「だけど……違うんです」


 私は、また俯いた。
 ソファーに座っている、私の脚は地面についているのに、どこに居るか分からない。
 考えもまとまらず、自分でも何を言っているのか、何が言いたいか分からない。


「……」


 嗚呼、本当に……消えてしまいたい。


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