799:名無しNIPPER[sage]
2017/11/27(月) 19:01:15.36 ID:/waBRMwOo
「忙しくなって、こういう時間が少なくなるのもわかるよ。だけど――」
だけど、アンタは私のプロデューサーでしょ。
そして、アイドルの私のファンだと言うのなら、目を離すのは許さない。
私は、プロデューサーにアイドルの道に招き入れられたのだ。
その責任は取ってもらわないと。
「……渋谷さん」
「プロデューサー、ちゃんと私を見ててよね」
この感情に名前を付けるのはよそう。
それをするのは憚られるし、そうしたら、この人は逃げてしまいそうだから。
これはただの我儘で、ちょっとした独占欲なのだ。
「ふふっ……出来ないなんて、絶対に言わせないから」
「はい。見守り続けると、お約束します」
その答えに満足し、ふと、前を見たら、
「良い、笑顔です」
「……ちょっと待って。もしかして、今も見てたの!?」
バックミラー越しに、プロデューサーと目が合った。
先程までの私は、一体どんな表情をしていたのだろう。
そう考えると、今は、一刻も早く自宅に着いて欲しい気持ちでいっぱいになった。
おわり
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