815:名無しNIPPER[sage]
2017/11/27(月) 23:07:43.13 ID:/waBRMwOo
「……ふふっ」
抜き足、差し足、忍び足。
バレないように、見つからないように。
「……」
……いつの間にか、私の足は止まっていた。
先を歩く男性は、背丈が同じくらいの、全くの別人だったのだ。
近づいてみれば、体格も違うし、特徴的な寝癖も無かった。
背筋の伸び具合も、歩き方も、何もかも。
「……」
立ち止まった私を避けるようにして、通行人の人たちは通り過ぎていく。
中には、私が高垣楓だと気付いた人も居たようだが、今は朝の忙しい時間帯だ。
遅刻と引き換えにしてまでも、立ち止まって見ようという人は居なかった。
……ああ、駄目だ。
もう、一度溢れてしまった想いは止められない。
「……会いたい」
今すぐ、貴方に会いたい。
「――高垣さん?」
忘れもしない……この、低い声は間違えようがない。
「っ……!」
目の前には、記憶と変わらない、彼が立っていた。
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