833:名無しNIPPER[sage]
2017/11/28(火) 22:41:47.25 ID:mEF11nT4o
いくら私とて、同時に複数の人間を助けるのは不可能だ。
しかし、不幸中の幸いと言うべきか……手を挙げているのは、並んだ席の片方のみ。
隣の席に座っている人には、まだ若干ながらも余裕があるという事だ。
「可能な限りすぐに向かいます! それまで、席が隣の人は手助けをお願いします!」
これならば、最悪の事態は免れるだろう。
「はいっ! わかりま……あ……うっぷ……おえええっ!」
私に返事をするために、大きく息を吸い込んでしまったのだろう。
しかし、それはこの車内に漂う臭いを考えれば自殺行為と言える。
今吐いた方の隣は……良し、まだ大丈夫そうだ。
「返事はしなくて大丈夫です! 皆さん! 頑張りましょう!」
プロデューサーとして仕事をしてきて、これ程絶望的な状況はそうは無い。
だが、私はこんな状況にも関わらず、感動してしまっていた。
アイドル達は、自分が辛い状況だと言うにも関わらず、
隣の席で吐いた友を気遣い、優しい言葉をかけ、背中をさす……ああ、貰いゲロをしている。
心動かされている暇が合ったら、体を動かさなくては。
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