840:名無しNIPPER[sage]
2017/11/29(水) 00:29:47.06 ID:abVgxl3vo
「……橘さん。貴女は、とっても立派なアイドルです」
「急に……ずずっ……どうしたんですか……ずずっ」
腰を曲げ、座っている橘さんと目線を合わせながら言った。
目線が合わせると、あれが見れば見るほどパスタだとわかる。
「今回の事を恥ずかしいと思っているのですね」
「はい……ずずっ……だって、当然です……ずずっ」
ポケットからティッシュを出し、一枚目で彼女の口の周りを拭う。
子供ではないのだからと嫌がる可能性も考えたが、
今は私の話に耳を傾ける事に集中しているようだ。
「しかし、人間ならばこういう事も有ります。例えそれが、アイドルであっても」
「……だけど……ずずっ」
「そうですね……では、またこの様な事態が起こった時に――」
そして二枚目で、橘さんの鼻を拭いつつ――
「――今度は、他の誰かを助けてあげられるよう、成長していく」
――パスタを抜き取る。
「……と、言うのはどうでしょうか?」
「っ……! 凄い、です! なんだか、とてもスッキリした気分です!」
橘さんは、顔を輝かせて言った。
パスタの長さは、3センチ。
この輝きを消さないためにも、よく噛んで食べなさいと、今言うべきではないだろう。
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