962:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/11(月) 23:26:39.26 ID:5y5HcG0go
働かざるもの食うべからず、っていう言葉があるけどさ。
杏はそりゃちょっと言い過ぎ何じゃないかと思うよ。
誰だって、働かないで食べていけたらそりゃあ良いと思うって。
毎日ゲームにネットに、ダラダラ過ごせたら最高だよねー。
「双葉さん、ダンスレッスンの時間です」
でも、この人はいつも杏を沢山働かせようとするんだよ。
酷いと思わない? 他にもアイドルはいっぱい居るじゃんか。
杏はさ、出来るだけ働かず、出来るだけ儲けたいのにー。
「いやー、ちょっと歩くだけの力が出なくてさ、杏も困ってるんだよー」
「……」
「レッスンには参加したいんだけどねー、いやー、困った!」
プロデューサーには悪いと思うよ?
今も、いつものように右手を首筋にやって、困った顔しちゃってるしね。
だけど、ダンスレッスンって大変なんだよ、マジで。
疲れる事をしに行くために、歩いて疲れるなんて最早拷問だよ、拷問!
「……それでは、どうぞ」
プロデューサーは、そう言うと杏に背中を向けてしゃがんだ。
おいおい、杏は小さいとは言え花も恥じらう17歳の乙女なんだよ?
いくらなんでも、その提案には乗れないなー。
「レッスンに参加したいと仰る双葉さんの希望を叶えるのが、私の役目ですから」
……こいつはプロデューサーの技ありかな。
レッスンルームに着けばちゃんとやる、って言質を取られた形になっちゃった。
「それに、楽をするのはお嫌では無いと思いまして」
なるほど、確かに言う通り……もう、参った参った!
杏の負けだよ! あわせ技一本ってやつだよ!
全くもう、最近のプロデューサーは、杏の扱いが上手くなった気がするよ。
「しょうがないなぁ……飴くれる?」
よっこいしょと背中に体を預けながら、二つ目の飴をねだってみた。
おわり
1002Res/472.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。