過去ログ - 武内P「大人の魅力、ですか」
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964:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/12(火) 00:55:38.20 ID:DzwIZtGwo
「プロデューサーさん、クレープ買って来ました〜」
「三村さん……その、あまり間食をなさるのは」
「美味しいから大丈夫ですよー」


 この人は、私のプロデューサーさん。
 仕事は中々に出来るが、いつも私が甘いものを食べるのを邪魔してくるのが玉に瑕だ。
 しかし、私はその障害を取り除く方法を遂に見つけた。


「イチゴ味とティラミス味なんですけど、どっちにしますか?」
「……」


 プロデューサーさんは、その容姿に似合わず甘い物が好物だったのだ!
 こうやって、一緒に食べようと買って来てしまえば無碍に断る事はない。
 一口どうぞと誘うのではなく、丸々一つ与えてしまうのが突破口なのだ。


「そうですね……三村さんのオススメはどちらでしょうか?」
「うーん、イチゴも甘すぎないし、ティラミスも上品な甘さで……迷っちゃいますー」
「成る程……しかし、三村さんは何故それをご存知で?」
「っ……!?」


 ――謀られた。
 プロデューサーさんは、私が甘いものに対して嘘がつけないのを利用したのだ。


 私は、カロリー制限のためにプロデューサーさんに食べた物をリスト化し提出している。
 それを元に栄養士との相談し、適切なカロリー計算の元、食事と甘味のバランスを取っていた。
 ……そう、表向きは、だ。


 当然、バランスを保っている程度の甘味では私は満足出来なかったし、
自己申告制という穴だらけの隙間に、ケーキやクッキー、クレープが入り込むのは当然の事。
 この店のクレープも、開いている穴に飛び込んできた内の一つだった。


「そ、それは……昔食べた事があって……」
「正直に言えば、甘い物の制限を少し緩めようと思います」
「!?」


 ――なんという、甘い罠だろう!
 絶対嘘に決まっているのに、正直に話そうと思わざるを得ない!
 だって、隠れてコソコソ食べるのも美味しいけど、堂々と食べる方がもっと美味しいのだ!


 心を落ち着けるため、イチゴ味のクレープを一口パクリと食べる。
 駄目、まだ足りない……ティラミスの方も……う〜ん、美味しい〜♪
 よし……美味しいから大丈夫だよね!


 しかし、私が何か言う前に、既に制限が厳しくなるよう手配は終わっていたらしい。
 プロデューサーさんは、微塵も甘くは無かった。


おわり


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