957: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/11/12(月) 01:44:37.62 ID:TTrQyNj0O
僧侶「今も同じです」
助手「えっ……」
僧侶「お爺さんのお話、何処かで聞いた話だとは思いませんでしたか?」
助手「狩人さん、ですか……」
僧侶「はい。狩人さんが語ったことと同じです。真実を隠し、罪無き人間の時代を作る」
僧侶「嘘は嘘ではなくなり、時が経てば、やがてそれこそが真実となる。人間は、また繰り返すのでしょうか……」
助手「……僕は、そうならないと信じたいです。同じ過ちを犯すとは思いたくない」
助手「それに狩人さんだって、国のやり方が正しいとは思っていないはずです。最善だと判断しただけで、納得はしていない」
僧侶「……」
助手「他に方法があればと思いますが、今は魔女を止めることを考えなければなりません」
助手「魔女を止めることが出来たとしても、その先、未来をどう生きるのかは人間が決めるでしょう」
助手「真実を知ろうとするのか、或いは今のまま、嘘に生きていくのか……」
僧侶「……知ったとしても、耐えられるでしょうか。人間が積み重ねた、その嘘に」
助手「………それは分かりません。ですが、何もかもが人間の歩んだ歴史です。受け止めなければ先へは進めない」
僧侶「そうですね……」
僧侶「(でも、過去も未来も、真実も嘘も、どんな道を歩むにしても、魔女を止めなければ全てが消えてしまう)」
僧侶「(……今は、魔女を止めることを考えよう。私が、出来ることを)」
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