967: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/11/21(水) 00:27:47.87 ID:9DHmfQD5O
狩人「生かされた理由か?」
勇者「ああ、そうだ。話を聞いた限り、彼女の研究を告発したのは教会だ」
勇者「彼女は処刑されたと言っていたが、お前を殺そうとする熱心な連中もいたはずだ。当時のお前が一人でどうこう出来ることじゃない」
狩人「簡単な話だよ。教会によって禁忌とされた彼女の研究だが、それを欲した者達がいたのだ」
狩人「一時期教会の預かりとなっていた私の身柄を、彼等が引き取り、保護した」
勇者「欲した者達。研究者か」
狩人「うむ。彼等が研究者だと分かったのは、引き取られた後のことだがね」
勇者「子供のお前を保護してどうなる。それに、研究内容は燃やされたはずだ」
狩人「確かに教会の手によって焼失した。しかし彼等は、私の中に残っていると考えた」
勇者「何?」
狩人「私に何を施したのか。彼等は、そこから彼女の研究を辿ろうとした」
狩人「しかし、私には何も特別な処置など施されていない。体質を除けば、普通の人間に過ぎない」
狩人「彼等には言わなかった。おそらく、発覚すれば処分される。それは、当時の私にも理解出来た」
勇者「なら、どうやって」
狩人「言っただろう。私の中には残っていると」
勇者「研究内容を記憶していたのか」
狩人「子供ながらにね。それこそ必死になって勉強したものさ。何とか彼女の役に立ちたかった」
狩人「何より知りたかった。彼女……母が何を見ていて、何を目指していたのかを」
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