過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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182:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 17:01:31.21 ID:sXivYPE/0
 彼もどこか、疲れた顔をしている。

 ウチの課の実働部隊の取りまとめ役だから、気苦労も多かっただろう。

「この後、忙しくなりますよ。仕事のオファーは、5倍は増えると思った方がいいです。
 どうか無理はせず、必要に応じて仕事を取捨選択する事も考えながら、進めると良いかと」

 本当そうだと思う。言われるまでもなく、仕事はガンガンふるいにかけさせてもらう。

 問題は課長だ。どうせまた今後の育成計画書作れとかうるせぇんだろうなぁ。そのくせ決裁遅いし。

「育成計画、ですか――今後の彼女達をどんなアイドルにしていくのか、確かに今が大事な時期ですね」

 俺の憂いを他所に、チーフは目を輝かせている。まったく――。

 前々から、あんたに一つ言いたい事がある。

「僕に? ――何でしょう」


「なぜ、あんたは平気な顔をしてプロデューサーを続けられるんだ?」


「平気なとは、心外ですよ。僕にだって、やりたい事がありますから」

 チーフは疲れた顔に戻り、少しだけ何とか笑ってみせた。


「城ヶ崎さんを辞めさせたいと思った事は?」

 彼は俺の問いには答えず、逃げるように背を向けて俺の元を離れた。

 幹事が締めを宣言し、帰りの配車の案内をお偉方にしている。終電はもう無かった。



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