過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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192:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 20:36:11.78 ID:K38ajQT50
莉嘉の声が聞こえるが早いか、部屋のドアがガチャッ!と勢いよく開かれる。
「お姉ちゃ、う、うわ――何やってんの鏡の前で? しかも下着姿で」
「アンタ、ドア開ける時はノックしてって言ったでしょ」
193:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 20:37:00.54 ID:K38ajQT50
アタシはずっと“カリスマギャル”だった。
デビューした時から、ずっとそう。
そういう役柄というか、二つ名を与えられてきた。
194:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 20:37:59.69 ID:K38ajQT50
当時の346プロは、新しい広告塔を模索していた時期だったみたい。
で、たまたま受けてきたアタシを見て、ギャル路線に特化したアイドル像を思いついたんだとか。
流行の最先端、流行を作る側。文字通り、JKのカリスマ的存在。
195:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 20:42:20.29 ID:K38ajQT50
当たり前といえば当たり前だけど、事務所の後押しもあって、滑り出しは順調。
ただ、初めの頃は、やっぱりネットとかでもゴリ押しだって声は多かったんだよね。
だから、そんな声なんてかき消してやるって、アタシのハートに火がついて、なおさらレッスンに打ち込んだ。
きっかけはゴリ押しかも知れないけど、アタシの実力そのものに文句は言わせたくない。
196:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:03:09.82 ID:K38ajQT50
実際、胸だけでなく頭も重い。
ウチの事務所に所属する高校生以下のアイドルは、あまり学校の成績が悪いとお仕事させてもらえなくなるんだ。
もちろん、赤点なんて取ったら一発レッド。
そりゃ、仕事のせいで学業が疎かになっちゃったら、保護者にも顔向けができないだろうしね。
197:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:07:27.85 ID:K38ajQT50
アイドルとして売れれば売れるほどお仕事に追われるから、こうして一日学校に出れるのは久しぶり。
サマーフェス以降、今のLIPPSはそれぞれが自分の持ち味を発揮して忙しくしてる。
198:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:09:59.31 ID:K38ajQT50
胸が大きいと、それが目立たないようなポージングしかできないし、修正も大変になっちゃう。
おまけに、普段からそれを隠そうとすると猫背になって姿勢も悪くなる。
アタシ、プロフィール上はバスト80で申告してるから、水着なんて着たら余計に疑われるっていうんで、そっちの仕事も最近無いなぁ。
199:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:11:56.89 ID:K38ajQT50
だってアタシ、高校卒業したらJKじゃなくなるんだよ!?
つまり、ギャル路線から転向しなきゃいけなくなるワケで、そしたら、どっちに行きゃいいのってなるじゃん。
やっぱり、ここは3サイズを更新してもらうようプロデューサーにもう一度相談を――。
200:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:16:52.25 ID:K38ajQT50
学校終わった後、事務所に行くとプロデューサーが事務室で一人、紙を片手に眉間に皺を寄せている。
「どうかしたの?」
201:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:19:03.86 ID:K38ajQT50
「ううん、逆。アタシのお願いを聞いてもらえるかなあって」
「お願い」
回していたペンを止めて、プロデューサーは私の方に向き直る。
202:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 21:21:47.90 ID:K38ajQT50
「それ、良いアイデアだな」
プロデューサーは、手帳の後ろの方を開いてメモをした。
「引継ぎ書にも書いておこう」
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