過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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237:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 23:10:18.62 ID:K38ajQT50
やっぱり、気ぃ遣いだね。
隣に立って一緒の手すりにもたれかかり、アタシはプロデューサーの顔をジッと見た。
水平線を眺めながら、プロデューサーはボーッとタバコを吹かし、携帯灰皿に灰を落としている。
「そこまで気を遣わなくていいよ。アタシ達、対等なんだから」
「今日の城ヶ崎さん、随分そういうのにこだわるんだな。フェアとかそうじゃないとか」
「今日だけじゃない」
プロデューサーは、ふっとアタシに顔を向けた。
いつの間に隣に来てた事に気づかなかった彼は、ギョッとしている。失礼じゃない?
「アタシは誰に対しても本当のアタシを見てもらいたいの。LIPPSの皆にも、ファンにも、プロデューサーにも。
それはたぶん、対等の関係じゃなきゃ、本当の姿になんてならない。そう思わない?」
プロデューサーは、目をパチクリさせた後、また海の方に視線を戻す。
「偉いなぁ。それに強い」
「えっ?」
「いや、偉いってのは上から目線だな――。
でも、まだ17、8だってのに、そうやってちゃんと考えてるの、本当にすごいと思う」
プロデューサーは、フゥーッと煙を吐いた。口元に手を添えて、アタシの方には顔を向けず。
「でもな、本当の自分なんて、多くの人は怖くて見せられなくなるものなんだ。
歳を重ねれば重ねるほど、特にな」
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