過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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243:名無しNIPPER[saga]
2017/12/17(日) 23:28:18.03 ID:K38ajQT50
「いや、俺が言ってるのは、そういう戯れ言で君のような若い子達をたぶらかす輩の事を――」
「戯言なんかじゃない!」

「簡単に叶う夢じゃないって分かってる。
 だから目指してるんだし、アタシにはそれができるって信じてる」

 プロデューサーに何があったか知らないけど、アタシの信じる道を否定されたくはなかった。


「自分の力を過信してイキがるのは若者の特権だ。それは結構だがな」
 改めてタバコを吸い、煙を吐きながら首を振る。

「そういう過信は危険なんだ。君みたいに真面目な子は特に、信じるものが揺らいだ瞬間にポキッと折れてしまいそうでさ。
 君達にはそういう思いをしてほしくないんだよ」

「アタシは簡単に折れない。たとえ折れても立ち直る。叶えるまで何度でも」

 気づいたら、彼の腕を掴んでいた。
 プロデューサーはビックリしてアタシを見てる。アタシもビックリしてる。でも気にかけてられない。

「若者の特権だなんて、歳のせいにしないでよ。プロデューサーだって、夢を語れるよ」


 彼は鼻を鳴らし、かぶりを振った。
「例えば、小学生がいきなり路上で『夢はでっかく総理大臣!』なんて叫んだら微笑ましいけどな。
 俺が同じ事したら馬鹿だろ」

 ため息交じりに煙を吐く。

「君が思ってる以上に、歳ってのは残酷だよ。夢には明確に賞味期限がある。
 大体、夢で飯が食えるなら世界は今頃もっと平和だ」



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