過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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284:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:20:00.57 ID:78VDBhPt0
確か事務所棟の、上から二つ目の階だったはず。
ボタンを押して、到着したエレベーターに乗ると、後からもう一人、男の人が入ってきた。
「何階ですか?」
285:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:24:46.89 ID:78VDBhPt0
エレベーターが止まった。
開くボタンを押して、先に勧めると、その人は不揃いな前歯をニカッと見せて手刀を切った。
たまたま歩く方向が一緒だから、何となく後ろをついて行く形になる。
ますます気になる。わざとペースを落とし、距離を取った。
286:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:27:49.12 ID:78VDBhPt0
考えているウチに、前の方にある部屋の扉が開いた。
あ、プロデューサーだ。
いつの間に、常務の部屋の近くまで歩いてたんだ。
287:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:29:06.35 ID:78VDBhPt0
「あ、そうだ。常務、城ヶ崎さんとも話をしたいって言ってたぞ」
「えっ?」
常務が? アタシと何を――?
288:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:30:54.58 ID:78VDBhPt0
「そうか」
椅子に腰掛け、机の上で手を組み、アタシをジッと見定めている。
289:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:36:04.19 ID:78VDBhPt0
「ま、迷ってる、っていうか――」
どこからその話を聞いたんだろう。
プロデューサーにチラッと視線を送る。彼は、知らないと言いたげに首を傾げてみせた。
290:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:39:28.50 ID:78VDBhPt0
いきなりそんな事聞かれても、すぐに答えられないよ。
「どうしたらいいかな――?」
プロデューサー、さっきから黙ってないで何とか言ってよ。
291:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:41:09.38 ID:78VDBhPt0
常務は表情を変えずに、アタシの言葉に応える。
「自分で道を選択する事のできなかった不幸を、君は正しく捉えていない。
私は、事象を不当にねじ曲げる行為を好まない」
292:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:45:18.52 ID:78VDBhPt0
「えっ?」
と思ったら、志希ちゃんだけじゃない。
「呼ばれてないのにフレデリカー☆」
「さすが、こういう時の志希の嗅覚は頼りになるわね」
293:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:47:11.42 ID:78VDBhPt0
「さて。じゃあ新曲、聴くか」
皆が事務室のソファーに座ったのを見て、プロデューサーがラジカセの再生ボタンを押す。
サンプルを聴いても、ハッキリ言って、何も頭に残らなかった。
294:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:48:42.87 ID:78VDBhPt0
思わず目を見開いて志希ちゃんを見る――むしろ、睨んじゃったかも知れない。
「おーう美嘉ちゃん、冗談だって。アタシも常務の一言が気になっててさー?」
「君はサラッと爆弾を踏み抜いていくな」
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