過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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340:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:30:25.41 ID:78VDBhPt0
プロデューサーは脚を組み、頬杖を付いて窓から流れる景色をボーッと眺めている。
「何か変だな、って違和感はあったんだ。あまりにも展開が急すぎた」
「急?」
341:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:33:12.47 ID:78VDBhPt0
「――誰かの恣意的な意思が働いていた、って言いたいの?」
「感じずにはいられない。杞憂であってほしいとは思うが、たぶんそうならない気はしている」
ひとしきり喋って気持ちが少し落ち着いたのか、ため息を一つ吐いて、彼はすっきりした顔を向けてきた。
342:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:37:23.94 ID:78VDBhPt0
(♪)
シキちゃーん? シキちゃーん?
あ、ちょっともしもし、そこのおにーさんしるぶぷれ〜♪
343:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:40:59.55 ID:78VDBhPt0
(★)
昼過ぎには会場に到着していた。
お昼ご飯は、とってない。というより、食べる気になれない。
344:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:44:45.99 ID:78VDBhPt0
アイドルは恋愛禁止、というのは、アタシ達の世界では常識だ。
なぜなら、アイドルは皆のためのものでなければならないから。
愛を、特定の誰か一人に向けてしまったら、それは他のファンへの裏切りにも等しい行為だ。
345:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 22:56:46.97 ID:78VDBhPt0
それが、ファンの人達や、この業界に携わる人達――アタシ達を応援してくれる人達への礼儀。
そして、志希ちゃんはそれを裏切った。
あまりに軽薄としか言えない形で――。
346:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 23:00:16.76 ID:78VDBhPt0
「お待たせしましたー。
えーそれではですね、番号順にお呼びしますので、呼ばれた方は控え室出て左手の――」
どうやらようやく始まるみたい。
347:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 23:01:20.93 ID:78VDBhPt0
誰かからのメールだろうな。皆、心配してくれてるんだろうと思う。
でも、今は誰とも話したくなかった。
志希ちゃんとはもちろん、奏ちゃんや、周子ちゃんフレデリカちゃん。プロデューサーとも。
348:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 23:02:49.46 ID:78VDBhPt0
席を立ち、部屋を出て少し歩いてから、その電話に出た。
「――もしもし?」
『あ、ミカちゃん! フレちゃんだよー元気?』
「あ、うん」
349:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 23:05:13.29 ID:78VDBhPt0
全く内容の無い、フレデリカちゃんらしい会話だったな。
珍しく電話してきたものだから、何事かと少し心配したこっちが馬鹿に思えるくらい。
そうでなくても、「何で連絡してくれないの」「皆心配してるんだよ?」くらいの事は言われるかと思った。
350:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 23:06:45.54 ID:78VDBhPt0
急いで電話を掛ける。相手は――。
『もしもし』
「プロデューサー! 今、フレデリカちゃんと連絡取れる!? ていうかあのコ今どこにいるの!?」
『どこって、仕事じゃなかったか?』
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