過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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413:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:29:37.03 ID:Ae62FiCR0
「彼女達は知っています。自分が大人達の勝手な都合に振り回されていることを。
僕達プロデューサーが考えている以上に、彼女達は賢く鋭い。
本当は、僕達に不満の一つでもぶつけてもらえたらどんなに楽だろう」
気づくと、彼はテーブルの上に置いた拳を握っている。
414:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:32:33.90 ID:Ae62FiCR0
「どういう意味だ」
「ご存じの通り、この事務所は今や高垣楓に頼りきっている。
彼女の起用を前提としたプロジェクトが未だにいくつもあるんです。
それを絵に描いた餅で終わらせてしまったら、多方面の業界で信用が落ちるどころか、下手すりゃ廃業する末端企業まである」
415:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:37:48.09 ID:Ae62FiCR0
「その黒々しい“意見交換会”の現場を内部告発して、業界の裏側を暴くということか」
「えぇ」
ただ――チーフに協力を依頼された志希は、サマーフェスで何をしようとしていたの?
416:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:42:06.87 ID:Ae62FiCR0
「真正面から高垣楓と戦って負けたのではなく、不慮の事故のために負けた――ということにしたかったのか」
プロデューサーは、なぜかフフッと笑った。
「言い訳や予防線は、使い所さえ間違えなければ、その身を守る盾になります。
417:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:47:23.35 ID:Ae62FiCR0
「――クーデターってことか?」
腕を組みながらプロデューサーが問うと、彼は手を振った。
「いや、そんな大それたものでは。
ただ、一方的にゼロクリアだけして、影響のある人達に何もフォローしないというのは筋が違いますからね。
418:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:52:06.40 ID:Ae62FiCR0
「ぼ、僕は――」
チーフは、今日初めて動揺した。
「僕は、美嘉ちゃんや卯月ちゃんに、償いをしたかったんです。
419:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:02:08.56 ID:Ae62FiCR0
「惚れますよ、そりゃ」
アリさんと呼ばれた彼は、恥じることも、悪びれる様子も見せず、毅然とプロデューサーを見返している。
「彼女達のためになるなら、どんなことだってしたいんです。
身を取り巻く環境を変える努力をしないのは、怠慢ですよ」
420:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:04:15.29 ID:Ae62FiCR0
「売れすぎた?」
それの何がいけないというの? 私は、彼の次の言葉を待った。
「現時点で言えば、LIPPSは高垣楓を脅かすほどに、急激に成長を遂げてきています。
421:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:17:11.71 ID:Ae62FiCR0
「何だと――!」
「僕だって嫌なんですよこんなの! でも、一番信憑性があると、上が一方的に決めたんです。
それだけは勘弁して欲しいとお願いしたのですが、聞いてもらえなくて――!」
テーブルの端を両手で掴み、体を前に乗り出させ、彼は泣きそうな顔で懇願する。
422:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:20:04.58 ID:Ae62FiCR0
「馬鹿な」
プロデューサーはテーブルをドンッと叩いた。驚いた同じフロアの何人かがこちらを見る。
「それは346の転覆を謀る187プロの計略だ。まんまと乗せられているんだ」
「もしそうであるなら、それをそのまま彼に説得してほしいんです。どうかお願いします」
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