過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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417:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:47:23.35 ID:Ae62FiCR0
「――クーデターってことか?」
腕を組みながらプロデューサーが問うと、彼は手を振った。
「いや、そんな大それたものでは。
ただ、一方的にゼロクリアだけして、影響のある人達に何もフォローしないというのは筋が違いますからね。
418:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 21:52:06.40 ID:Ae62FiCR0
「ぼ、僕は――」
チーフは、今日初めて動揺した。
「僕は、美嘉ちゃんや卯月ちゃんに、償いをしたかったんです。
419:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:02:08.56 ID:Ae62FiCR0
「惚れますよ、そりゃ」
アリさんと呼ばれた彼は、恥じることも、悪びれる様子も見せず、毅然とプロデューサーを見返している。
「彼女達のためになるなら、どんなことだってしたいんです。
身を取り巻く環境を変える努力をしないのは、怠慢ですよ」
420:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:04:15.29 ID:Ae62FiCR0
「売れすぎた?」
それの何がいけないというの? 私は、彼の次の言葉を待った。
「現時点で言えば、LIPPSは高垣楓を脅かすほどに、急激に成長を遂げてきています。
421:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:17:11.71 ID:Ae62FiCR0
「何だと――!」
「僕だって嫌なんですよこんなの! でも、一番信憑性があると、上が一方的に決めたんです。
それだけは勘弁して欲しいとお願いしたのですが、聞いてもらえなくて――!」
テーブルの端を両手で掴み、体を前に乗り出させ、彼は泣きそうな顔で懇願する。
422:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:20:04.58 ID:Ae62FiCR0
「馬鹿な」
プロデューサーはテーブルをドンッと叩いた。驚いた同じフロアの何人かがこちらを見る。
「それは346の転覆を謀る187プロの計略だ。まんまと乗せられているんだ」
「もしそうであるなら、それをそのまま彼に説得してほしいんです。どうかお願いします」
423:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:25:21.46 ID:Ae62FiCR0
「――すまない」
「お、アリさん達じゃないスか」
424:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:27:32.44 ID:Ae62FiCR0
「おっ? マジッスかイイッスねー! オレもクソ上司に言いたい事山ほどあるんスよ!」
「いや、本当大丈夫だって。俺とチーフだけで話に行きたいんだ」
「何だよツレねェじゃないッスか! イイッスよ行きましょ、場所どこ? あっち?」
「いや、ヤァさん、あの、ヤァさんが行くとまとまる話もまとまら――」
425:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:29:56.64 ID:Ae62FiCR0
本当の事情は何なのか、とチビさんに聞かれたので、エレベーターの中で私は説明した。
プロデューサーとアリさんが一瞬、私に振り向いたけれど、諦めたように視線を直す。
どのみち、こうなってしまったら隠す方がナンセンスだもの。
426:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:31:27.81 ID:Ae62FiCR0
「お久しぶりです。どうも、以前どこかでお会いしましたよね?」
並びの悪い歯をニカッと見せて握手を求めてきた。
そんな彼を、プロデューサーは露骨に無視して足早に去る。
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