過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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426:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:31:27.81 ID:Ae62FiCR0
「お久しぶりです。どうも、以前どこかでお会いしましたよね?」

 並びの悪い歯をニカッと見せて握手を求めてきた。
 そんな彼を、プロデューサーは露骨に無視して足早に去る。

以下略



427:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:32:41.36 ID:Ae62FiCR0
 恰幅の良い、白髪のオールバックで、やや小麦色の肌をした茶色いスーツの老人は、プロデューサーに気づくとにこやかに手を挙げた。

「ご無沙汰しております」
「ハハハ、この間ウチに来てくれたばかりじゃないか」

以下略



428:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:34:34.26 ID:Ae62FiCR0
「支社長、折り入ってお願いがあります」

 神妙な面持ちで切り出したアリさんの次の言葉を待たずに、支社長は鋭く言い放った。
「どこまで話した?」

以下略



429:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:39:43.00 ID:Ae62FiCR0
「念のため聞くが、私にお願いしたい事とは?」

 ポケットに手を突っ込み、机におざなりに腰掛けながら、支社長はアリさんの顔を覗き込むように見た。

「先日、申し上げた事です。LIPPSを陥れる事を、どうか考え直していただけないでしょうか」
以下略



430:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:42:41.35 ID:Ae62FiCR0
「し、支社長は、アイドルのためを思っていたのでは――」
「思っているさ。大事なビジネスの種になるのならな」

 鼻を鳴らし、足を組み替えながら支社長は続ける。

以下略



431:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:45:36.00 ID:Ae62FiCR0
「LIPPSの子達はどうなるんですか?」

 アリさんが食い下がる。

「当初の計画では、高垣楓の周りの大人達が良からぬ企みをしていた、というものでした。
以下略



432:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:48:34.22 ID:Ae62FiCR0
 やや後ろから聞こえた声に、皆が振り返る。

 いつの間にか、プロデューサーは私達の後方に立っていた。
 というより、私達が彼を置いて、知らず身を乗り出していた、と言う方が正しいのでしょうね。

以下略



433:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 22:51:05.46 ID:Ae62FiCR0
「や、辞められるって――!」

 アリさんがプロデューサーの前に歩み出た。
「ちょっと待ってください。それはあまりに無責任じゃ――」

以下略



434:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:00:34.63 ID:Ae62FiCR0
「一ノ瀬志希、という子がいたね。彼女が今、どこにいるか知っているかね?」


 思わぬ人物の名前が出て、私達の表情が固まる。
 特に、プロデューサーと、おそらく私の顔も、相当に緊張が走った。
以下略



435:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:06:52.09 ID:Ae62FiCR0
「か――彼女の大好きな、って――?」

 息が苦しい。視界が歪む。
 やっとの思いで、私の口から言葉と呼べるものが発せられた。

以下略



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