過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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443:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:31:25.43 ID:Ae62FiCR0
えっ――と支社長の口から蚊のように小さい声が漏れ出る。
「私の留守中を狙って熱心に外部の人間を招き、この会議室で良からぬ相談事を行っていたようだな?」
そして、常務の口調からは、年上の部下に対する丁寧さが消えた。
「そ、それは、誤解です! ヤツらが私に脅迫まがいの事をして、この事務所を潰そうと――!」
そう支社長が反論したのを最後まで聞かないまま、常務は黙って手近にあった机に手を掛けた。
おもむろに机の裏側に手を伸ばし、戻した彼女の手には何かが握られている。
ゆっくりとそれを開くと、手の中から出てきたのは、小さな機械だった。
「ま――まさか」
支社長の顔が見る見るうちに青ざめる。
「情報は何よりも重要なものだ。取り分け、信用を売り物とする我々の業界ではな」
鼻を鳴らし、腰に手を当てて常務は淡々と話を続ける。
「私の部屋と同じ階で繰り広げられる不穏な動きを、私が悟らないとでも思ったか。
もっとも、事務所の外で密会が行われようと、草の者がとうに知らせていただろう」
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