過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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459:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:14:27.20 ID:m6szqZZ10
フレちゃんのくだらなくて楽しいフリには答えず、アタシは踵を返して駅の改札に向かおうとする。
「お待ちください、一ノ瀬さん」
460:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:16:31.00 ID:m6szqZZ10
「まぁ――そのような、貴重な傘を、この私に?」
「はい。ですが――この傘を扱うには、ある条件が必要となります」
「それは、一体何でしょう?」
461:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:18:21.10 ID:m6szqZZ10
「シキちゃん千円ありがとー! んじゃ、ちょっと待っててね☆」
二人で傘を差し、駅前から見えたコンビニにたどり着くと、フレちゃんは楽しげにそこへ吸い込まれていく。
アタシは特に用も無いので、お店の前で傘を差してボーッと待つことにした。
462:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:19:57.45 ID:m6szqZZ10
その次も、その次のコンビニでも――。
「シキちゃーん! 次行こ、次っ!」
463:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:21:13.04 ID:m6szqZZ10
「ン?」
このまま騙されたフリをして付き合ってみるのも、悪くはない。
でも、生憎今のアタシには余裕が無いのだ。
464:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:25:39.64 ID:m6szqZZ10
土砂降りの雨の中、連れられた場所――。
「ここは――」
公園だった。それも、サマーフェスを行った所。
465:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:27:24.81 ID:m6szqZZ10
「アタシね? あのフェスが終わった後、結構ココに来てるんだ♪」
東屋の手すりを掴み、広場の方を見やりながら、フレちゃんが語り出した。
アタシは、ふっと顔を上げ、黙ってそれに耳を傾ける。
466:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:29:28.50 ID:m6szqZZ10
「――フェス、楽しかったね」
一応、同調してみせた。
いや――一応ではない。疑いなく、それはアタシの本心だった。
467:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:32:49.72 ID:m6szqZZ10
「このミカンね? ――通りすがりのおばーちゃんから、もらったの」
その一言に、アタシはハッとした。全てを合点した。
468:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:38:11.43 ID:m6szqZZ10
どんなに得体の知れないものでも解明できるという、根拠の無い驕りがあったのだと思う。
だがそれは、アタシの想定以上に取り留めが無く、それでいて大きい、怖いものだった。
アタシの愚かしいことには、それに気づくのが遅すぎたのだ。
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