過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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569:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:01:12.45 ID:m6szqZZ10
「皆はもう、帰ったのか?」
「美嘉も、終電だったし」
「ふーん」

 プロデューサーは自販機にお金を入れ、けだるそうにボタンを二つ押した。
以下略



570:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:05:59.82 ID:m6szqZZ10
「だから、プロデューサ――」
「新しいプロデューサーは、どうだ。良い人だろ?」

 私の言葉を遮って、彼は逆に質問してきた。
 どうやら、私の聞きたかった事は、彼にとってあまり都合の良くない話らしい。
以下略



571:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:08:06.10 ID:m6szqZZ10
「ところで、足、大丈夫か?」 


「――えっ?」
 急に聞かれ、私の体が跳ねてしまう。
以下略



572:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:10:20.85 ID:m6szqZZ10
 時間を掛けて、革靴を慎重に脱ぐ。
 靴下がそれにかかる時、息が詰まりそうになるのを必死で堪えながら、私は何とかそれをプロデューサーに曝け出した。


「――爪か。捻挫とかは、内側は痛めてないか?」
以下略



573:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:14:42.29 ID:m6szqZZ10
「しかし、あの程度のレッスンでも、こんなひどい怪我を負ってしまうものなのか?」

 彼にとっては何気無い、いつものようにデリカシーの無いその一言は、私を大いに動揺させた。
 秘密特訓の事を、彼には知らせていないからだ。

以下略



574:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:15:55.43 ID:m6szqZZ10
「さて――付き合わせて、悪かったな」

 ふぅ、と息をついて、プロデューサーは手を差し出した。
「ジュース」
「えっ? ――あぁ」
以下略



575:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:18:07.75 ID:m6szqZZ10
 ケラケラと、背後の柱の影から、すっかり板についた彼のモノマネをする声が聞こえる。

 先に帰って、って言ったのに――本当、物好きね。

「ま、言ってもあの人なりにさ、奏ちゃんやあたしらを心配してくれてるって事で、許してやんなよ」
以下略



576:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:22:50.60 ID:m6szqZZ10
 (・)

「いや〜ご多用の中お時間いただきましてありがとうございます〜。えぇ、私、お電話でお話させていただきました――!」


以下略



577:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:25:21.09 ID:m6szqZZ10
「えっ――他の自治体でも、このような事業に参加した事例があるのですか?」

 窓口で鬱陶しそうに俺の話を聞いていたハゲ面の中年職員が、少し反応した。

「そうなんですよぉ〜意外でしょう? 例えば東京都さんですとか、あとは23区ですと千代田区さん、中央区さん――」
以下略



578:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:27:27.56 ID:m6szqZZ10
「こちらですと、出演者をというより、会場をより強調してご案内する形になろうかと存じます。
 ご指摘いただきました、公平性という面においても、宣伝の主題を会場とするこのレイアウトであれば、解消されるのではないかと」

 と言いつつ、下部に寄せた出演アイドルの写真は、ちゃっかりLIPPSが真ん中だ。

以下略



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