過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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612:名無しNIPPER[saga]
2017/12/21(木) 01:02:25.80 ID:taHfCPeM0
「ところで、楓さんはどこまで知ってるんだろうね?」
彼女の言葉に、美嘉ちゃんがふと手を止め、天井を仰いだ。
「そういや、楓さん――自分がそういう、偉い人達の思惑に振り回されようとしてたの、知ってたのかな」
「さすがに、何も知らないという事は無いんじゃないかしら」
さっきまでとは打って変わって、奏ちゃんも至極真面目な顔になっている。
「仮にも当事者だし、トップアイドルにまでなる人が、周囲の思惑に気づかないほど鈍感で賢くないとも思えないわ。
あの人、底知れない何か、オーラみたいなものも感じるし」
「オーラって、奏ちゃんの口からそんな抽象的なワードが飛び出すとは思わんかったな」
感心しつつ、あたしは別のヤツをお皿に取った。
これは確かチーズやったな。色的にも間違いない。
「プロデューサーさんも、その当りは相当気になってたみたいだけど、結局は今の奏ちゃんと同じ意見だったね」
「最近本人と話してみた感想は?」
「いやー、それが楓さん、それとなしに聞こうとしても全然、「ふふっ」って笑うだけで、教えてくれんのよ」
ソースとマヨネーズをかけ、半分に割って口に放った。
「ミステリアスというか、あの人もたぶん、あまり話したくない事なんかなーって。だから、深くは突っ込まなかった」
「ふーん」
残念だけど納得した風に腕組みをする美嘉ちゃんの横で、フレちゃんは未だにタバスコを振ってる。
さては今の話、聞いてなかったなこのコ。
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