過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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701:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 00:27:35.52 ID:qh1EHTqN0
   握手を求める 雷のように
   これからもずっと 手を伸ばそうよ
   焦がれるものに 手当り次第

「やめてくれ――」

 予防線を張りたかっただけなんだ、俺は――。
 しかし、君達を追い詰めまいと、期待していないフリをする事で、むしろ君達を傷つけていた。

 期待して、良かったのか――そうなのか?


   そうして 愛していきたいの
   私達で築き上げるメガロを――!


 俺の周りの観客は、皆総立ちだった。
 座ったまま、しかも両手で顔を覆っている今の俺には、ステージの様子など見えようもない。

 カツ丼セットもロクに食えないほど小さくなった俺の胃袋では、彼女達の与える夢はあまりに大きすぎた。
 キャパを優に超えた俺の感情は堰を切り、それが溢れ出てしまうのを堪える事が出来ない。

 あまりに有難くて、申し訳なくて、情けなくて――俺、ダメだなぁ――。


 どうやらステージが終わったらしい。会場中、気が狂った地鳴りで揺れている。


「勘弁してくれ――」

 抑えきれない俺の嗚咽は、雷に打たれた観客達による土砂降りの拍手と大歓声に飲まれ、泡と消えた。



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