過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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90:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:47:23.67 ID:sXivYPE/0
「一ノ瀬っ! 何をしている、配置につきなさい!」
トレーナーが私達に檄を飛ばさない日は無いけれど、彼女へのそれは毎度際立っている。
「えー? もういいじゃん、十分頑張ったよアタシー」
「君一人の問題ではない。ユニットとしての士気が下がると言っている」
「にゃははーっ。トレーナーさんそれダジャレ? ゆーあーきでぃんぐみー」
「なっ――い、いいから早くしろっ!!」
私の見立てでは、彼女の実力は、おそらく周子のそれを遙かに上回るほどに高い。
一度見ただけの振り付けを、ほぼ止まらずに一度目で踊りきるなんて、並大抵の事ではない。
ギフテッドというのは、どうやら眉唾ものではなさそうね。
問題は、彼女のその絶望的な集中力の無さ。
興味が3分以上持続しないとは彼女自身の弁で、こうしてトレーナーを困らせる事は日常茶飯事だ。
酷い時は、無断欠勤だけでなく、休憩中どこかに行ったまま帰ってこない事もある。
そうした“失踪”は、ある種志希の特性として私達も認識しつつあった。
「プロデューサーってヒトが気になったから入ったんだけど、アイドルって大変なんだねー」
そう言いながら、キレ味鋭いステップを渋々踏んでみせる彼女には、ある種の恐怖すら感じてしまう。
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